飯田会頭より就任のご挨拶

2023年7月
香港日本人商工会議所
会頭 飯田 剛司


この度、2023年度総会、並びにその後に開催された臨時理事会におきまして、香港日本人商工会議所の会頭を昨年に引き続き拝命することになりました飯田です。会員各社様から頂いた貴重なご意見が商工会議所活動の方向を定める上で、大変参考になりました。今年度も従前に増して、皆様の声を大切にしていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 さて、2023年は香港にとりましても、我々日本人商工会議所にしましても大きな節目の年となります。約3年に渡ったコロナ禍での活動制限と それに伴う経済の低迷からようやく脱却できる環境が整いました。香港政府も消費喚起策、観光誘客といった景気刺激策を打ち出していますし、入境制限の撤廃により人流も随分と戻ってきました。

 しかし3年の月日が経つ中で、香港の課題も浮き彫りになっています。中国経済への依存度が高い中で香港を介さない取引が拡大するようになっており、そうした問題にどのように対処するのか。また香港のハブ機能をどのように維持強化していくのか。香港内に目を向けると、人材不足や 高人件費・高物件費構造に対して、どのような対策を取っていくのか。在香港日系企業が抱える課題は山積しています。

 こうした環境下、当会議所は在香港日本国総領事館・日本政府関係機関の協力を得たり、香港政府、香港内の商工会議所・団体と関係を深めたりすることで、会員企業に資する活動を行いたいと考えています。具体的には以下3点です。

 1点目は会員企業が香港で円滑に活動を行えるよう環境を整えることです。業界ごとに行うヒアリングや総領事館・ジェトロと実施するビジネス 環境アンケート調査で会員企業の課題を把握し、優先事項をつけて香港政府に改善要求しています。直近ではALPS処理水放出に対する日本産食品の輸入規制強化の動きに対して反対する意見書を行政長官をはじめとする主要閣僚に提出すると共に、会員企業向けの説明会も実施しました。 今後とも会員企業が抱える課題については政府に改善を訴えかける所存です。

 2点目はネットワークの拡大です。コロナ規制期間中は相対での活動が制限されていましたが、ようやく自由に活動ができるようになりました。 その間、会員企業の駐在員も随分交代しており、会員企業間の交流を求める声を聞きます。また日系企業のみならず香港企業、他国商工会議所 会員企業とのネットワーク拡大への期待が強いことも承知しています。今年度はネットワーク構築の場を数多く、会員の皆様に提供したいと考えています。

 3点目は香港のビジネス環境を正しく関係先に発信し、会員企業が香港で活動しやすくすることです。過去数年の混乱や国家安全維持法の施行を 踏まえた香港に対する日本の見方は厳しいものがあり、実際に当地で活動するビジネスパーソンとの認識ギャップに悩んでいるという声を数多くの方から聞きます。実際に活動する立場から、客観性を持ったビジネス環境情報をとりまとめ、会員企業の本社説明や日本にいる潜在的なビジネスパートナーに発信していきたいと考えています。

 正副会頭、理事ともども、香港の発展、並びに会員各社様の社業発展に貢献していきたいと考えています。会員の皆様におかれましては部会、 セミナー、ネットワークイベント等への積極的な参加をお願いしますと共に、お問い合わせ、ご意見、ご要望がございましたら、遠慮なく事務局までご連絡をお願いします。本年度もどうぞよろしくお願いいたします。

                                                               以上